「ジュンク堂・丸善・図書館流通センターが経営統合し,DNPの傘下に新会社を設立した」というニュースは,図書館関係者なら必ず気になったことだろうと思います。大手の企業同士が統合し始めたということは,いよいよ業界・市場が苦しくなってきたということを意味しています。
どんな市場にも寿命があり,その市場で食べている企業も転地を果たさない限り,市場の衰退と共にいずれ死が訪れます。ここで一番問題になるのは,「企業の寿命が人間の寿命よりも短い」ということです。長寿企業はどこかで必ず転地に成功していますが,企業にとって転地ほど難しいことはなく,多くは成功しません。
超一流企業だったKDD(国際電信電話)が40年ちょっとで消滅したり,GMやJALは定年後の年金を削減しなくてはならない状況に追い込まれていることをみれば,総じて転地は難しく「企業の寿命は人間の寿命よりも短くなる」ということはわかると思います。(日経新聞で「長寿企業」の特集が組まれているのも,こうした事情があるわけです)
組織の寿命を考えていくと,例えば,資料の電子化や電子化したファイルの保存と提供の中心的な役割を民間企業が担ってよいのかといった不安は,どうしても生じてくるわけです。(これは,図書館界の方が強く感じていらっしゃることだと思います)
図書館の経営は気が遠くなるほど長期的な視点を持ちながら,意思決定を行う必要があって,結果的に図書館の寿命は人間よりも長くなります。「図書館の寿命は,人間よりも長くないと人類にとっては,きっと損失の方が大きくなる」という大前提に図書館は立っています。
「図書館の寿命は,人間よりも長い」
図書館の経営者は,意思決定の際に,常にこのことを頭の片隅に置いておく必要があります。右目で天体望遠鏡を覗きながら,左目で虫眼鏡を覗いているのが,図書館経営者なのだと思います。