図書館経営における最近の議論の中に,「図書館の利用者は,営利企業にたとえると顧客であり,図書館でも顧客の視点が大事」とか,「営利企業のようにマーケティングが大事」といったものが多くみられます。
ただ,経営学における一般的なマーケティングの話をいくらしても,図書館においてそれ以上広がることはありません。むしろ,それらを参考にしつつも,それ以上に図書館にとってもっと具体的な議論をしていくことの方が意味があるように思います。
それは,たとえば,図書館の第一の経営資源は「図書を中心とした資料」ということを考えると,図書ということを主眼において,「利用者が本を読むということはどういうことなのか。なぜ,本を読むのか」,「利用者にとっての読書行為とは何なのか」ということを(これまでも多く議論されてきましたが,現代の利用者も含めて,それらを)改めて深く知るということなのだと思います。